エンジニア資格

CAIP試験の出題範囲と難易度を徹底分析!

近年、人工知能(AI)や機械学習(ML)への注目が高まり、企業でもAI導入が急速に進んでいます。それに伴い、AIエンジニアのスキルを客観的に証明する手段として、各種AI資格への関心も高まっています。中でも注目されているのが、Google Cloudが提供するProfessional Machine Learning Engineer(通称:CAIP)です。

本記事では、CAIP試験の出題範囲や難易度、学習方法などを詳しく解説し、これから受験を考えている方にとっての道しるべとなる内容をお届けします。


1. CAIPとは何か? その概要と位置づけ

CAIP(Google Cloud Certified - Professional Machine Learning Engineer)は、Google Cloud上で機械学習ソリューションを設計・構築・運用するスキルを証明するための認定資格です。

Google公式の定義では、以下のようなスキルセットが求められます:

  • ビジネス課題をML問題として定義する能力
  • データの前処理や特徴量エンジニアリング
  • 機械学習モデルの選定、トレーニング、評価
  • モデルのデプロイと運用(MLOps)
  • GCP(Google Cloud Platform)における実装スキル

Google Cloudの中でも、最上級レベルに位置付けられるプロフェッショナル認定であり、受験にはある程度の実務経験が前提となる試験です。


2. 出題形式と試験概要

CAIP試験の基本情報は以下のとおりです:

  • 試験時間:2時間
  • 問題数:約50問(公式には明記されていないが、50~60問程度)
  • 形式:多肢選択式(multiple choice)および複数選択式(multiple select)
  • 言語:英語(2025年4月現在、日本語未対応)
  • 試験場所:オンラインまたは認定試験センター
  • 受験料:$200(約27,000円)

合格ラインは公表されていませんが、受験者の体験談によると、合格率は40%前後とされており、決して易しい試験ではありません


3. 出題範囲①:MLパイプラインの設計と構築

この分野では、機械学習プロジェクトのライフサイクル全体を理解していることが求められます。具体的な出題内容は以下のとおりです:

  • ビジネス目標をML課題に落とし込む方法
  • MLモデルの選定理由の説明
  • Vertex AI Pipelinesを用いたパイプライン構築
  • フィーチャーストアの利用
  • ハイパーパラメータチューニング(ベイズ最適化など)

実際の開発現場でMLパイプラインを構築した経験があると、理解しやすい分野ですが、未経験の場合はGoogle Cloudのチュートリアルで演習を重ねる必要があります。


4. 出題範囲②:データの準備と前処理

MLプロジェクトの成否を大きく左右するのが、データの質です。このセクションでは以下のような知識が問われます:

  • 欠損値や外れ値の処理
  • 正規化、標準化、スケーリングなどのテクニック
  • カテゴリカルデータのエンコーディング(one-hot、label encodingなど)
  • Google Cloud Storage や BigQuery との連携
  • TFRecordsやCSVなどのデータ形式

この分野では、理論だけでなくGCP環境での実装知識が必須です。特に、Vertex AIやBigQuery MLでのデータハンドリングに慣れておくと有利です。


5. 出題範囲③:モデルトレーニングと評価

ここでは機械学習モデルの構築・チューニング・評価に関する実務力が試されます。

  • TensorFlow、scikit-learnなどのフレームワーク知識
  • ロジスティック回帰、決定木、CNN、RNN、Transformerなどのモデル
  • ROC曲線、AUC、精度、適合率、再現率、F1スコアなどの評価指標
  • 過学習やバイアス・バリアンスのトレードオフ
  • k-fold cross validation、early stopping、正則化

理論だけでなく、それをGCP上で実装・検証できることが問われるため、実践的な演習を積むことが大切です。


6. 出題範囲④:デプロイとMLOps

CAIP最大の特徴のひとつが、MLOpsに関する知識が広範囲に求められる点です。これは他のAI資格と比べても際立っており、Googleが機械学習の運用を重視していることの表れです。

  • モデルのサービング(online / batch)
  • モデルのバージョニングとロールバック
  • モニタリング(Data Drift / Concept Drift)
  • CI/CDによる自動化
  • パイプラインの継続的なトレーニング・評価

Vertex AI Model MonitoringやCloud Logging、Cloud Functionsとの連携など、GCPを使ったMLOpsの実装経験が合格のカギを握ります。


7. 難易度の実態と合格に必要な準備

CAIPはGoogle Cloud認定資格の中でもトップクラスの難易度を誇ります。その理由は以下の3点です:

  1. 実務経験が強く求められる:理論や基礎知識だけでは太刀打ちできません。
  2. 出題範囲が非常に広い:ML、MLOps、GCPの知識が横断的に必要です。
  3. 出題形式が実践的:単なる知識問題ではなく、実際のシナリオに基づいた問題が多い。

学習の進め方

合格を目指すには、以下の学習法をおすすめします:

  • 公式ガイドと模擬試験の活用:Googleが提供する公式ドキュメントを熟読。
  • オンライン学習プラットフォーム:Coursera、A Cloud Guru、Udemyなどのコースで体系的に学習。
  • ハンズオン演習:実際にGCP上でVertex AIを使ってプロジェクトを構築。
  • GitHubの過去問分析:試験体験記を通じて出題傾向をつかむ。

まとめ:CAIPは「実務に強いAI人材」の証明

CAIP試験は、機械学習とGCPの知識を総合的に問う、非常にチャレンジングな資格です。しかし、逆にいえば合格すれば即戦力であることを証明できる、極めて実務寄りの資格でもあります。

「ただの資格」ではなく、「実務力とクラウドスキルの証明書」としての価値があるため、キャリアアップや転職を目指すエンジニアにとっては、非常に強力な武器となるでしょう。

挑戦する価値は十分にあります。あなたの次のステップとして、CAIP取得をぜひ目指してみてはいかがでしょうか。


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