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LinuCとは
LinuCとは、Linuxの認定試験を実施しているNPO法人、LPI-Japanが独自に作ったテストです。
正式名称を「Linux技術者認定試験 LinuC」(英名:Linux Professional Certification、読み:リナック)といいます。
「日本市場に最適化した試験&運用サービス」をスローガンに開発され、日本市場のニーズに合わせた試験という特長があります。
初年度の2018年度のテストでは従来のLinux試験だったLPICの形を踏襲していましたが、 2020年4月1日から提供される試験(Version 10.0)からその出題範囲を大幅に改定し、クラウド時代のすべてのIT 技術者に必須の認定試験として生まれ変わりました。
多様な機器がIT化し、クラウド活用や主要技術のオープンソース化が進展している中で、クラウド時代に欠かせない本質的な技術を保有するエンジニアの技術力を認定するというのが改定の目的です。
「LinuC」はLPI-Japanが独自に開発したテストとして2018年3月に始まったばかりですが、既に認定者が4万人を突破しています。
世界的なIT人材の不足と合わせ、時代に求められるLinux技術者のスキルを証明する資格試験である「LinuC」は、今後もさらに受験ニーズが高まっていくことが予想されます。
LinuCとLPICは何が違うのか?
LPICとLinuCには、大きな違いがあります。
LPICは世界中で実施されているLinux技術者認定試験ですが、受験者にはスコアと合否の判定だけを知らせる方式をとっています。
一方、LinuCは、日本の市場に最適化した日本独自の試験であり、受験者は、スコアや合否判定のほかに合格基準、項目別スコアも併せて知ることができます。
運営元は「LinuC ⇒ LPI-Japan 」であり、「LPIC ⇒ LPI日本支部」です。
LinuCとLPICの「将来の対象市場」は、LinuCとLPICの違いといえるかも知れません。
LPICの対象市場は「グローバル」であり、世界標準の資格ですが、LinuCは今後「日本市場に特化」した資格を目指して提供をされているため、「中期的にはLinuCが日本市場寄り」となる可能性があります。
ただし、LinuCも最終的には、グローバルでの市場を対象としているようで、長期的には「LPIC」も「LinuC」もグローバル市場を対象とする可能性もあります。
LinuCが作られた背景
LinuCが作られた背景は2つあります。
Linuxの地域性の高さ
Linuxは各国で人気のLinuxディストリビューションが違うなど、地域性に左右されるOSと言われています。
LPI-Japanはそのような背景から、より日本市場に最適化した日本独自の認定試験を作る必要があるとし、開発を決めました。
LPICテストの情報漏洩問題
LPICは世界共通で行われているLinux認定試験です。
LPICでは、過去に外国の違法業者が試験問題の漏洩をしました。
これは海外で起こった事件ですが、日本でも同じテスト、LPICテストが実施されており、日本のLinux認定試験の信用問題にもかかわります。
そこで、LPI-Japanは日本で試験問題を管理することで、セキュリティの高さを追求したのです。
LinuCとLPICはどちらを受験するべきか?
2021年現在では、LinuCとLPICの評価はほぼ同じであるため、どちらを取得しても問題ありませんが、「あえてどちらを取るべきか?」と考えた際には、私の意見としては「LPIC」をおすすめいたします。
LinuCは日本国内に向けた資格で、就活にも有利そうに見えますが、はたして本当にそうでしょうか?
LinuCやLPICの違いや強みをしっかり理解することが重要になります。
LPICの強みの強みとしては「国際標準の資格であること」と「認知度」にあります。
ITの資格は国際標準である事は強みだと考えており、デファクトスタンダードとなっているCiscoやOracleの資格もグローバルで通用する国際標準です。
認知度に関しても、LinuCの認知度も急速に高まってはおりますが、日本市場のLPICの認知度は、やはりかなり高いです。
また日本市場のみではなくグローバルもあわせての認知度で考えると、LPICブランドに軍配が上がると思います。