さまざまな産業でAI(人工知能)の開発や応用が期待されるなか、AI技術を扱うエンジニアやコンサルタント、プランナーなどAI人材への需要が高まっています。
それに伴い、Pythonなどプログラミング技術の習得だけでなく、機械学習の理論や数学など統計技術を教えるスクールや通信講座が増加しています。
この記事ではAIエンジニアになるために独学でAIに関する知識をつける方法について紹介します。
Contents
いまこそAIを学ぶべき理由
この段落からは、いまこのタイミングでAIを学ぶべき理由や学ぶべきポイントなどを解説します。
AI関連市場は2030年に86兆円以上の見込み
コンサルティングファームである「Ernst & Youngの研究所」は、AI関連の市場が2030年頃に87兆円以上の広がりを見せると予測したレポートを発表しました。
実際、AIの搭載された製品は一般ユーザーの周りにも多く、世界規模で見てもAIを中心としたビジネスは拡大しています。
産業別でみると「テクノロジー・メディア・通信」と「金融」では、日本と世界のAI導入状況の差は比較的に小さいことが情報通信白書で示されています。
一方で、「消費者向け産業」「エネルギー」「ヘルスケア」「産業財」などの分野で大きな差があき、日本の出遅れている状況です。
注目度の上がっている分野なので、AI技術を持ったエンジニアの需要は高まります。AI技術を学び習得しておくことで、新たな領域でのキャリアアップも可能です。
AIエンジニアは不足しており今後も需要が拡大する
まだまだ新しい分野であるAI。世界中のAIエンジニアは30万人いる一方で需要は100万人です。
日本国内において、先端IT人材は5万人不足していると経済産業省が発表しました。需要の高さに対して供給が追いついていないため、AIエンジニアを教育する環境整備は日本国内でも進められています。
企業への調査結果を見てみると「AI人材が不足している」と回答する企業が多いのと同時に「不足しているAI人材の人数は分からない」「どのように育成すべきか分からない」と感じている企業も多いことが読み取れます。
社会人向けの学習スクールは増加傾向にあり、AIエンジニアに必要なプログラミング教材などもあります。
AIエンジニアが不足しているからこそ学習スクールなどで知識・スキルを蓄えると、市場で求められる人材へ成長することも可能です。
プログラミング言語 Python の発展
AIにおすすめの言語は「Python」です。
AIの開発や実装、運用などを始めるにはプログラミング言語を習得しなければなりません。
特に、AIの領域で活用されているのが「Python」というプログラミング言語です。
シンプルで扱いやすく、初心者でもわかりやすい言語なので、これから学習を始める人にはとっつきやすい言語となっています。
もともとPythonは分散オペレーティングシステムの管理目的に開発されました。
しかし、バージョンアップでリストの概念や関数型言語の基本機能が実装されたり、多次元配列・行列ライブラリの「Matrix Object in Python」が開発されたりしたことで、比較的早い段階から科学者やエンジニアたちのコミュニティに注目されたのです。
その後、NumericとNumArrayを統合した「NumPy」や、幾つかの科学計算用ライブラリをパッケージ化した「SciPy」がリリースされ、コミュニティと民間企業が本格的にサポートすることになりました。
独学にはオンライン学習講座もおすすめ
スクールに通うことなく、独学でAI技術を学ぶこともできます。この段落では、おすすめのオンライン学習講座について紹介します。
メディカルAI専門コース オンライン講義資料
このオンライン講義資料は日本メディカルAI学会が公開する無料の学習資料です。
誰でもディープラーニングや機械学習など医療AIに必要な基礎知識を学ぶことができます。
手を動かしながら学べるので、実践的な学習が可能です。
受講想定者としては大学生、大学院生、医療従事者を想定しています。
ただし、PythonやGoogle Colaboratoryの使い方をある程度理解している人向けなので、学習するには予備知識が必要になります。
内容については、線形代数、統計、確率の基礎、機械学習、DeepLearning(深層学習)の基礎や実践を学んでいきます。
実践ではGoogle Colaboratory上で動くJupyter Notebookを使って、ブラウザ上で実際にプログラムを書き、実行結果を確認しながら進めていきます。
Amazon Machine Learning University
Amazon Machine Learning UniversityはAmazonエンジニアの研修に利用された学習教材です。
学習コースは初心者から上級者まで幅広いレベルが用意され、目的に応じたコースを受講することもできます。
コース履修後には、有料で開発やオペレーションの専門知識を証明する資格のAWS認定を受けられます。
実際に使うサービスとしてはAmazon SageMaker、Amazon Rekognition、Amazon Comprehend、Amazon Transcribe、Amazon Polly、Amazon Translate、および Amazon Lex などのサービスがあります。
Amazon Machine Learning Universityには自分のペースで進めることができる 30 を超えるデジタルコースがあります。
開発者、データサイエンティスト、データプラットフォームエンジニア、そしてビジネス専門家の 4 つの主要グループのための 45 時間以上におよぶコース、ビデオ、およびラボで構成されています。
各コースは基礎から始まり、現実的な例とラボを経て基礎を強化していくため、開発者は Amazon で解決しなければならなかったいくつかの興味深い問題を通じて機械学習を掘り下げていくことができます。
Coursera
現在、社会人や大学生の新たな学習方法として、MOOCs(ムークス)の普及が世界的に進んでいます。
MOOCs(ムークス)とは、世界のトップと呼ばれる大学がオンライン学習講座を提供している教育プラットフォームのことです。
Courseraもムークスのひとつで、スタンフォード大学発信の教育サービスです。
オンライン上でさまざまなコースを無償で受講できます。AIに関わるコースも用意されているほか、スタンフォード大学で実際に行われている授業も日本語字幕付きで公開されています。
提供されるコースや授業は無料ですが、修了証の取得は有料です。