ネットワークエンジニアは、コンピューターネットワークの設計、構築、運用・保守などを通じて、企業のITインフラを支える職種です。
ネットワークエンジニアの仕事内容や待遇、需要や将来性について説明します。
もちろん、ネットワークエンジニアの需要が高まることが予想できても安心してはいけません。技術に栄枯盛衰があるように、それを使いこなすエンジニアのスキルセットにも流行り廃りがあります。
同じネットワークエンジニアでも現在と未来では求められるスキルセットに大きな違いがあることも考えられます。
この記事ではクラウド時代のネットワークエンジニアの将来性と、クラウドに対応するために必要なスキル、そのスキルを学ぶ方法について詳しく解説します。
Contents
ネットワークエンジニアの今後とクラウド
先ほど、ネットワークエンジニアのキーワードとしての人気が減少しているのに対して、クラウドエンジニアの人気は高まっていることを説明しました。
なぜ、このような需要の関係になっているのか、クラウドの普及とネットワークエンジニアの需要の関係性について説明します。
これまでのネットワークエンジニアは不要になる
一昔前であれば、一定以上の大企業ならどこもかしこも自前のサーバーを保有していました。
すなわち、社内に自前のネットワークがあって、自前のサーバーを使って社内のITインフラを運用、監視していたのです。しかし、今ではこのような徐々に減ってきました。
クラウド型サーバーが普及したからです。クラウド型サーバーとはネットワーク上にある第三者のサーバーを利用者の端末から利用できるサービスのことを指します。
つまり、自前でサーバーを用意する必要はなく必要なリソースの分だけサーバーを運用・監視しているサービス会社からレンタルできるようになったのです。現在ではAmazonが提供しているAWSを代表に、Azure、Google Compute Engineなど様々なクラウド型サーバーサービスが存在します。
このようなクラウドサーバーが普及すると、企業は必ずしも自前でサーバーやネットワークを用意する必要はありません。ネットワーク環境の構築、その後の保守監視にも大きなコストが発生する従来の方法に対して、クラウド型の方がコストは少ないですし、使用量に応じて料金が最適化されるのからです。
よって、今後も徐々に自前のサーバーからクラウド型サーバーへ移行する企業が増加すると考えられます。
もちろん、今すぐにネットワークエンジニアの仕事がなくなるというわけではありませんが、時代の流れを考えればネットワークエンジニアも時代に合わせた何らかの付加価値を身に付けなければならないでしょう。
ネットワークエンジニアはクラウド技術の習得が必須
今後従来のネットワークエンジニアリングの仕事は減少して、クラウドが絡む仕事が増加すると考えられます。
市場価値の高いネットワークエンジニアで居続けるためには、まずIT技術の動向を見極め、ネットワークエンジニアの市場需要をつかむ必要があります。
では、ネットワークエンジニアは従来のエンジニアリングに留まらず、どのようなスキルを身に着けるべきなのでしょうか。
端的に考えればクラウド時代にうまくマッチする技術を身につけて、クラウドとの上手な付き合い方を考えるべきです。
例えば、クラウドが普及することによって、クラウド型サービスの中から最適なサービスを選択でき、仮想サーバーや仮想ネットワークを構築するスキルは需要が高まるでしょう。
そして、このような仕事はサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアとしての知識やスキルを活かしやすい領域でもあります。
ネットワークだけではなく、他のインフラ系のエンジニアの技術も習得して、上手くクラウドの適用できるエンジニアにならなければなりません。
既にサービスが提供されているクラウドですが、IT技術としては比較的新しく、これからも大きく進化していくことが予想されます。そのためクラウドに精通しているネットワークエンジニアの需要は今後も増していくでしょう。
ネットワークエンジニアが今後身に付けるべきスキル
以上のことを踏まえて、ネットワークエンジニアは今後どのようなスキルを身に付けなければならないのかについて説明します。
ネットワーク仮想化の知識
ネットワーク仮想化とは、ネットワーク機器などのハードウェアで構築されていたネットワークを、ソフトウェアによるネットワークに置き換える技術の事です。
ネットワークを仮想化することで、複数の物理的ネットワークを1つ仮想化されたネットワークに統合することも、1つの物理的ネットワークを複数の仮想化されたネットワークに分割することもできます。ハードウェアによるネットワークよりも柔軟なカスタマイズが可能です。
ネットワーク仮想化の知識としては、SDN(Software Defined Networking)やSDNを実現するための技術であるOpenFlowというネットワーク規格があります。物理的なネットワーク機器の制御から、ソフトウェアによるネットワーク制御へと、ネットワークエンジニアにはこのような仮想化の知識が求められています。
クラウド技術
先ほども説明した通り、まず必要になるのはクラウドに関するスキルです。
従来のネットワークエンジニアリングの案件は減少してクラウドエンジニアリングに関する案件が増加するはずなので、仮想サーバーや仮想ネットワークの構築に関する知識やスキルは身に着けておいた方が良いでしょう。
ネットワークエンジニアに近いのはIaaSでしょう。IaaSにはネットワークに加えて、サーバーやストレージなどのインフラが含まれます。
クラウドを活用したシステム開発では、複数のエンジニアと共同で作業することもあります。ネットワーク以外の分野であって、ほかのエンジニアと意思疎通ができるレベルのクラウド全般の知識は身につけるべきでしょう。
セキュリティ技術
セキュリティに関するスキルも身に着けておいた方が良いでしょう。IT技術が高まるほど、サイバー攻撃などの手法も複雑化しており、このような攻撃からサーバーやその中の情報を保護するためには、高レベルのセキュリティに関する知識が今後ますます求められることになると考えられます。
セキュリティに配慮した、システムの設計や構築、ネットワークに関する検査スキル、保守、監視能力を身に着けるべきです。